こんにちは。兵庫県明石市でスライサー、カッター、成型機などの製造販売を行っているアサヒ産業の辻と申します。
今回は食品加工で用いるスライサーの「コンベアベルトのテンション(張り具合)」についてお話をさせてください。
スライサーのコンベアベルトのテンションを誤って調整していると、コンベア本体に負荷がかかり、さまざまな機械のトラブルを招きます。
この記事ではユーザー様から意外と知られていない、正しいコンベアベルトのテンションの考え方をわかりやすくご紹介します。
コンベアベルトの正しいテンションとは?
突然ですがクイズです。
スライサーのコンベアベルトの正しいテンションはどちらでしょうか?
A. ずれないように、きつめに張る
B. 滑らない程度に緩めに張る
・・・答えは「B. 滑らない程度に緩めに張る」です!
なぜ「緩めに張る」のが正解?
コンベアベルトの役割は原料を運ぶ「搬送」です。
ベルトが滑らなければ特にきつく張る必要はありません。
むしろきつすぎるテンション設定では以下のようなトラブルの原因となります。
・ベアリングの消耗→破損
・片寄り防止の桟(ガイド)の摩耗や破損
・コンベア端のナイフエッジの変形
・駆動ローラーの表面摩耗によるグリップ力低下
・「ベルトが滑る→テンションを強くする→部品がさらに摩耗する」という悪循環
テンションがきつすぎるとコンベア本体や部品に負荷がかかるほか、ベルトが片寄ったときに戻りにくくなり、ダメージを受けてしまいます。
コンベア関係のトラブルがあったとき、ベルトのテンションを確認してみると強く張りすぎていることがほとんどのため注意しましょう。
コンベアのベアリングだけ壊れる理由は?
スライサーの使用中「本体は問題ないのに、コンベアのベアリングだけ頻繁に壊れる…」という経験はありませんか?
その理由も「ベルトのテンションがきつすぎるため」です。
食品用のコンベアベルトのなかでも、特にお肉を加工する機械の場合は使用しているうちにベルトがだんだんと縮んできます。
お肉用のスライサーで使用するベルトが縮みやすい理由は以下の通りです。
・原料のドリップに含まれる塩分で、繊維が固くなり縮む
・殺菌に使う次亜塩素酸などに漬け込む影響で縮む
「ベルトはだんだん伸びるものでは?」と思われる方も多いのですが、実際には縮んでテンションがきつくなってしまいます。
その結果、コンベアのベアリングに大きな負荷がかかり、数ヶ月で破損するというケースもあります。
また、ベルトが縮むと、ベルトを回す駆動ローラーの表面が削れるというトラブルも招きます。
そうするとローラーのグリップが効かなくなり、ベルトが滑りやすくなります。
そこから、テンションを強くする→さらに部品が摩耗してベルトが滑りやすくなる…、という悪循環に陥ってしまうので注意しましょう。
以下の動画を見ると、劣化したベルトが新品のモノよりも縮んでいる様子がわかります。
▼【参考動画】コンベアベルトは劣化するとどうなる!?
コンベアのテンション調整で注意すべきポイント
ここまでご紹介した、コンベアベルトのテンション調整について、注意すべきポイントを以下の3つにまとめました。
1.テンションは緩めに設定(滑らない程度でOK)
2.テンション調整は定期的に行う(ベルトは使用中に縮みます)
3.トラブル時はベルトのテンションを疑おう!
特に新品のコンベアベルト交換時、最初はテンションが緩くて滑ることもありますが、必要以上にきつく張らないよう注意しましょう。
メンテナンスもアサヒ産業におまかせください!
アサヒ産業では、スライサーの製造・販売だけでなく、トラブルを事前に防ぐための定期メンテナンスサービスも提供しております。
定期メンテナンスは有償になりますが、機械の使用状況に応じて、半年や1年ごとに点検をさせていただきます。
ご希望の場合は弊社、もしくは機械を購入頂いた代理店まで、お気軽にご相談ください。
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